こんにちは。
名古屋労災職業病センター理事長の森亮太です。
近年、「生活習慣病」という言葉がよく聞かれるようになりました。テレビでは健康食品のCMが繰り返され、「血液をサラサラに」といった情報もあふれています。でも、私たちはそこにひとつ大切な視点が抜けていると感じています。それは、「仕事」です。
どんなに体に良い食事や運動を心がけていても、長時間の労働や無理な働き方が続けば、健康は守れません。派遣やパートなどの不安定な働き方が広がる中で、長時間労働や休日出勤、サービス残業といった問題は今も続いています。
たとえば、パソコン作業に関しては「50分作業したら10分休憩を」と産業衛生の分野では勧告されていますが、それを知っている人も、実践している職場も少ないのが現状です。アスベストによる健康被害も、長年にわたり見過ごされ、多くの方が苦しんできました。
私たちは、病気の原因として「生活習慣」だけでなく、「働き方」にももっと目を向けるべきだと考えています。そして何より、働く人自身が「このままではいけない」と声を上げ、職場を少しずつでも良くしていくことが大切です。
「これって労災じゃないのかな?」
「職場の安全に不安がある…」
「病気の原因、仕事にあるかもしれない」
そんなふうに感じたら、ひとりで抱え込まずに、ぜひご相談ください。名古屋労災職業病センターは、労働者の皆さんとともに悩み、考え、行動していく団体です。安心して、あなたの声を聞かせてください。